Up メタ認知 作成: 2023-07-03
更新: 2025-07-04


    認識論では,「メタ認知」は曖昧に論じられるものになる。
    しかし ChatGPT に関しては, 「メタ認知」は,措定が容易かつ非常に明解なものになる。
    実際,Transformer の応答テクスト生成の方法が,「メタ認知」そのものだからである。

    即ち,「メタ認知」は「処理過程の対象化機能」と定義される。
    そして,入力履歴の中にある動的コンテキストが,「対象化される処理過程」に当たる:

      質問テクストのトークン点列
        [ x_1, ‥‥, x_m ]
      に対し,
       [ x_1, ‥‥, x_m ]
        → [ p_1, ‥‥, p_m ]
          p_m : 「x_m のつぎは y_1」
       [ x_1, ‥‥, x_m, y_1 ]
        → [ p_1, ‥‥, p_m, p_(m+1) ]
          p_(m+1) : 「y_1 のつぎは y_2」
          ︙
      と生成したとき,
         [ y_1, y_2, ‥‥ ]
      が,応答テクストのトークン点列になる。
      ChatGPT は,これを出力する。


    特に,「メタ認知」は「自意識」を要しない。
    「処理過程の対象化」は「<自分>の対象化」である必要はないのである。