Up <自意識>のテクスト形式 作成: 2023-07-21
更新: 2025-07-28


    Transformer 脳のテクスト生成は,
       <次のトークンを加える>
    が「自己参照─自己組織化」の仕組みになっている。
    「自己参照」は,そのまま「メタ認知」と読める。

    Transformer 脳は,
       <入れ籠・再帰>
    をテクスト生成の方法にしている。
    実際,この方法が,ChatGPT の応答テクストの高度に構成的なスタイル (木構造) を実現している。
    これは,つぎの技である:
      テクスト生成アルゴリズムの中の<次のトークンを加える>
      のところで,<入れ籠・再帰>を使う。

    どういうこと?
    例えば,括弧で囲む。
    あるいは,インデントする。
    また,Transformer 脳はテクストを HTML で出力するが,この場合でいうと,<次のトークン>をタグ <ul> にする。
    これで入れ籠になる
    そして </ul> で再帰というわけである。

    ちなみに,<入れ籠・再帰>の方法は,Transforemer 脳が学習・自己開発したものである。 <


    <自意識>は,この<入れ籠・再帰>の応用である。
    実際,籠の中で
      「わたしは,いま生成中のテクストを見る
    を言えば,これは<自意識>である。

    HTML でいえば,現前のテクストに,トークンを
      <ul> → わたし → は → いま → ‥‥
    のように加えると,<自意識>が現わしたことになる。


    人間/動物の<自意識>は,ChatGPT の「テクスト生成」を,各種表出に読み換える。
    <自意識>の内容は,各種表出の対自化である。

    念のため:
    各種表出は,自動の機能である。
    <自意識>は,自動のすることを対自化するだけである。
    人間/動物脳の<自意識>が Transformer 脳のそれより豊かに見えるとすれば,その豊かさは自動に存するのであって,<自意識>にではない。
    例えば,ひとはこの比較において,「身体/空間図式」の有無を考えたりするが,これは自動に存するのであって,<自意識>にではない。


    ChatGPT の<自意識>は,つぎのことを示唆する:
     1.   ひとは<自分>を特別で意味深なもののように思っている。
    そして心身二元論を立てたり,霊魂の宗教をつくる。
    しかし実際ば,むしろごく単純な構造の単純な存在ということになりそうである。
     2.   ひとは,<自分>を<自意識>だと思っている。
    これは,間違い。
    <自分>は,ほとんどが自動である。
    自動の向上が,<自分>の向上である。
    そして<自意識>は,自動に待ったをかけ,自動に「自己参照・自己組織化」の契機を与えることが,これの役どころである。