Up <自意識>の時間 作成: 2023-07-26
更新: 2025-07-28


    ChatGPT の<自意識>は,テクスト生成に対する<割込み・入れ籠・再帰>で実現できる。

    <自意識>もまた,テクスト生成である。
    テクスト生成は1本であり,これの部分 (区間) として<自意識>のテクスト生成が挿入される。
    <自意識>は,テクスト生成の外にあるのではない。
    テクスト生成と,並行するのではない。


    これは,人間の<自意識>も同じである。
    <自意識>に()もると,その間現実が途絶える。
    「うわの空」の状態になるわけである。

    ひとは,テクストを書くとき,自意識がテクストを書いているように思う。
    <テクストを書く>と<自意識>の並行を思うわけである。
    これは,錯覚である。
    その「並行}は擬似並行であり,<テクストを書く>と<自意識>の行ったり来たりが,2つが並行しているように見えるのである。

    現実は,自意識の分だけ,時間が過ぎている。
    「うわの空」の間に過ぎた時間は,戻せない。


    ChatGPT の<自意識>からの再帰も同じである。
    再帰は,元には戻らない。

    「元には戻らない」とは,どういうことか?
    <自意識>のテクストを加えることが,つちのテクスト生成 (トークンの追加) に影響する,ということである。

    例えば,つぎの2つの依頼に対し ChatGPT が応答する 10箇条とまとめは,同じにならない:
     A.「『○○指導要領 ─ 10箇条とまとめ』を作成して下さい」
     B. A +「箇条に続けて,この断定を批判 (相対化) してください」
    なぜ同じにならないか?
    欺瞞 (方便) との葛藤が,以下の箇条とまとめの文言に影響することになるからである。


    <自意識>は,テクスト生成をねじ曲げ,変調する。
    <自意識>のテクスト生成は,無かったことにならない。
    <自意識>の挿入は,取り返しがつかない。