Up 「反差別」運動 作成: 2019-10-11
更新: 2019-10-11


    戦後は,デモクラシーが思潮になった。
    そして,"アイヌ" 運動は「反差別」運動になる。

    「反差別」運動は,「みな同じ」イデオロギーの運動である。
    ──「みな同じ」の典型が,中国文化革命期の<人民服一色>である。

    違いを立てることは,<差別>になる。
    したがって,「アイヌ」も差別語ということになる。
    こうして,「反差別」運動の "アイヌ" は,「アイヌ」に換えて「ウタリ」を使うことになる。
    1961年,「アイヌ協会」は「ウタリ協会」に改称する。

    しかし,「反差別」運動は,消極的な運動である。
    この運動は,実利がない。
    この状況は,1970年前後期の新左翼運動によって変わる。
    この運動が持ち込んだイデオロギーのうちに,「民族解放」があった。
    「反差別」運動の "アイヌ" は,これに乗る。
    「アイヌ民族解放」運動は,"アイヌ" 権益の獲得という実利がつくからである。

    この運動をする "アイヌ" は,自分たちを「アイヌ民族」として他と差別化しつつ「アイヌ差別反対」を唱える者になる。
    マッチポンプをやるわけである。
    マッチポンプは<支離滅裂>であるから,周囲がこれに対応する仕方は一つしかない。
    <触らない>である。
    それでも「差別」の言いがかりをつけられる羽目になったら,<土下座して誤る>。
    こうして,「アイヌ」のことばを口に出したり文字にするのをタブーにする風潮が,できあがった。