Up サバクとサバク化の区別 作成: 2024-09-05
更新: 2024-09-05


    人は,緑の地をサバクに変えることを色々行う。
    人のこの所業を見ていると,「サバクはかつては緑豊かな地で,人がこれをサバクに変えた」と思いたくなる。

    しかしこの思いは,「自然の地は,緑で鬱蒼となる」と思うことである。
    これは正しいか?


    「緑で鬱蒼」は,植物だけのはなしではない。
    植物の繁殖は,多様な生き物に媒介されている。
    「緑で鬱蒼」は,大きな生態系なのである。

    自然の地には,大きな生態系がつくられそうもないところが色々ある。
    それは,生存条件の厳しいところである。

    翻って,「緑で鬱蒼」は,むしろ奇跡的な出来事と見るべきである。
    大きな生態系ができるための進化要件がその都度奇跡的に満たされ,それは成る。


    こういうわけで,サバクとサバク化は,分けて考えるものである。
    「緑豊かな地がサバク化」は,サバクの一般論にはならない。
    「自然の地」のイメージも,「ほどほどに緑」が妥当のようである。