Up 生産調整 (「減反」) 作成: 2024-09-07
更新: 2024-09-07


    主食米農政は,米余りが最大の悪になる。
    そこで,「主食米を品薄気味に」を政策にするようになる。
    「減反政策」というわけである。

      減反政策は 2018年に廃止となったが,これの実質的継続が措置されている。 ──麦・大豆等への転作,あるい非主食米 (飼料用米・米粉用米) への転作に,補助金を交付。

    主食米を品薄気味にすることは,人の米離れを促すことになる。
    これは,価格の問題である。
    ひとは,米が嫌いでパンや麺類を食べるわけではない。
    「米食はパン・麺類食と比べて食費がずっと安い」だったら,ひとは米食に向かうのである。

    そして米離れは,米余りを招く。
    こうして,「減反政策」は止まらないものになる。──無限スパイラル。


    ひとは,「余剰米の有効利用を考えれば,米生産を安定させられるのではないか」と思う。
    減反政策一点張りの農水省は,頭が悪いのではないか」と思う。
    そうではない。

    余剰米の量は,一定しない。
    余剰米の有効利用のシステムは,弾力的な大循環システムということになる。
    そして,弾力的な大循環システムをつくって運営するということは,人間のできることではない。

    端的に,人間は計画経済をできない。
    経済は,アダム・スミスの謂う「神の手」の領域なのである。
    人間を買い被っちゃあいけない。

      それを言ってしまえば,政治はみんなそうだろう!
      然り,そうである。
      政治は人間のできることではない。
      だからいつもゴタゴタしているのである。

    この論の要点は,「米不足・米余り・米離れ」は,「どこかが間違っていて,それを直せば問題は解決する」という話ではないということである。
    この論の要点は,「どうしよもない」「人間万事こんなもんだ」である。