Up 「子どもの主体性を尊重」 作成: 2008-03-01
更新: 2008-03-01


    教育では「主体性尊重」の概念は重要である。
    それは,「個の多様性」という哲学/世界認識に拠っている。
    「個の多様性」の尊重は,特個性の尊重であり,そしてそれは主体性尊重になる。

    しかし,教育現場で「主体性尊重」が「子どもの主体性を尊重」に転じられると,だいたいがひじょうにおかしいことになる。
    すなわち,教育現場で「子どもの主体性を尊重」がやられると,それは「子どものままにする」になる。 そしてこの教育の結果は,モンスターの大発生。

      「子どもの主体性を尊重」を戴く教育現場では,つぎのような授業案のフォームが流行りになる:
        左コラムに「生徒の活動」を書き,右コラムに「教師の支援」を書く。


    子どものアタマのやることは,いくらがんばっても<児戯>である。
    子どもは,自分のアタマをどんなにいっしょうけんめい働かせても,大人にはなれない。 もし大人になれるというなら,「個体成長は,その中で<人類史における成果の蓄積>を実現する」になってしまう。

    教育は,「人類の遺産を子どもに伝える」という方法で,子どもを大人にする。
    子どもは,このショートカットによって,一挙に原始人から現代人になれる。