Up 成長とカテゴリー 作成: 2007-04-03
更新: 2007-04-03


    「成長」は,大人のカテゴリーをだんだんと身につけていくこと。
    大人のカテゴリーを身につけることが「大人になる」ということ。

    カテゴリーを身につけてしまうと,もとのノンカテゴリカルにはもどれない。 ──大人は子どもに戻れない。

    カテゴリーとは,違うものを同じものとして括る規範である。
    これが身につくと,こんどは同じとしているものを違うものにすることが困難になる。 子どもは個別の判別が得意だが,大人は苦手。 逆に,子どもはカテゴリーの習得に苦労する。

    例えば,コウモリの聴覚をもらえたとしても,最初はノイズばかりで何もわからない。 しかしカラダはノイズを学習して,ノイズに物の形/カテゴリーを読むようになる。 このときには,ノイズではなく物が見えている。
    人の視覚・聴覚でも,同様のノイズの習得がある。そして,物を見るようになった目には,もとのノイズが見えない。

      鹿の子どもは,生まれてから僅かの時間で,走り出す。 してみると,まったくのノイズに曝されるところから始まるというのではなさそうだ。 ノイズの読み方 (鹿の種のカテゴリー) が,そうとうできあがった形で遺伝子プログラムに組み込まれるまでになっていると,想像される。