Up 温故知新 作成: 2006-06-05
更新: 2006-06-05


    ひとは,現在自分がその中に置かれている状況がわからない。 この状況が見えてくるとしたら,それはこれの外に出てからである。 ──「外に出る」には,時間的 (現状況が過去のものになる) ,地理的 (その場を離れる), 生活的 (係わりをやめる) 等がある。

    自分のおかれている状況は,できるだけ誤りなく捉えたい。しかし,「外に出る」ことはできない。 そこでつぎの方法が用いられる:
      参考となるモデルを古今 (通時的) 東西 (共時的) に求める
    実際,この方法は有効である。


    モデルを古 (いにしえ) に求めることは有効な方法である」という知見は,「温故知新」のことばになっている。

    ただし「温故知新」は,若いうちは (すなわち,人生経験/学習経験が浅いうちは) なかなか理解困難である。古 (いにしえ) の出来事をいま·自分と重ね合わせることができるためには,ある程度の経験の蓄積が必要になる。
    同じ意味で,歴史を「いま·自分を知る」ために用いるようになるのも,一般に,だいぶ大人になってからだ。