Up 放射線加重係数・等価線量 作成: 2024-08-29
更新: 2024-08-30


    「被曝量」が,「放射線Rから物質Yが吸収する線量」として,つぎのように定義された:
      「放射線Rから物質Yの単位質量が吸収するエネルギー (仕事量)」
    ここで「物質Y」と一般的に表現されているが,「被曝の影響」はもともと人体に対して考えてきており,「物質Y」として考えているのも,人体の各種臓器である。

    しかしこの場合,つぎのことがあって,「吸収線量」をそのまま「被曝量」と見なすことはできない:
      「 吸収線量は同じでも,放射線の種類 (α線, β線, ‥‥‥) によって,影響の大きさが違う」

    そこで,放射線を等価にするために,「放射線加重係数」をつぎのように導入する:
放射線 放射線加重係数
γ線,X線 (電磁波) 1
β線 (電子) 1
陽子線 (陽子) 2
中性子線 (中性子) 2.5〜21
α線 (ヘリウム核) 20
重イオン線 (重イオン) 20

    そして,「被曝量」を「等価線量 (単位 : シーベルト Sv)」として,つぎの式で定義する:
      等価線量 (Sv) = 吸収線量 (Gy) × 放射線加重係数