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喜田宏 (1993), pp.155,156
‥‥‥ カモやガンなどの水禽は最も高率にインフルエンザAウイルスを保有している.
カモはインフルエンザAウイルスに高い感受性を有し,その大腸上皮で増殖した多量のウイルスを糞便とともに排泄するが,不顕性感染で症状を示さず,免疫応答が弱い.
したがって,カモの渡りのシーズンには,カモが集まる湖沼水中に多くの異なるインフルエンザAウイルスが排泄される.
ウイルスは水を介してさらに他のカモに伝播し,遺伝子再集合体が産生される.
ワタリガモはこのように,自然界でインフルエンザAウイルスの維持,運搬および散布を行なっており,ウイルス遺伝子の主要な供給源 (reservoir) であり,キャリアである.
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引用Webサイト
- 喜田宏 (1993) : 新型インフルエンザウイルスの出現機構
化学と生物, vol.31(3), 1993. pp.154-162.
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