「数とは何か?」への答え
いろいろな数がつくられるしくみ
数は量の比



金沢大学教育学部教科教育研究 no.26 (1990,7), pp.143-162.
算数・数学科教材研究──数の定式化

宮 下  英 明


目   次


1 数の定式化の方法

2 数の自己完結的定式化
    2.1 自然数の系
      2.1.1 条件規定の方法によるの定義──“ペアノの公理”
      2.1.2 “ペアノの公理”の読み方
      2.1.3 の構成的定義
        2.1.3.1 “入れ篭型の自然数系列”
        2.1.3.2 自由半群からの“自然数の系”の導出

      2.1.4 カテゴリカルな公理系
      2.1.5 順序関係の導入
      2.1.6 加法の導入
      2.1.7 乗法の導入
      2.1.8 の構造

    2.2 数の拡張
    2.3 “数の系”
      2.3.1 “数の系”であるための資格
      2.3.2 数の系の構造

    2.4 R
      2.4.1 Rの定義
      2.4.2 順序関係の導入
      2.4.3 加法の導入
      2.4.4 乗法の導入
      2.4.5 Rの構造
      2.4.6 Rの中へのの埋め込み
      2.4.7 “自然数の除法”
      2.4.8 “アルキメデスの公理”

    2.5 D(=整数の系
      2.5.1 D の定義
      2.5.2 順序関係の導入
      2.5.3 加法の導入
      2.5.4 乗法の導入
      2.5.5 D の構造
      2.5.6 D の中へのの埋め込み
      2.5.7 “自然数の減法”
      2.5.8 乗法の解釈

    2.6 (D)R(=有理数の系
      2.6.1 (D)Rの定義
      2.6.2 順序関係の導入
      2.6.3 加法の導入
      2.6.4 乗法の導入
      2.6.5 (D)Rの構造
      2.6.6 (D)Rの中へのD の埋め込み

    2.7 (R)D
      2.7.1 (R)Dの定義
      2.7.2 (R)Dの中へのRの埋め込み
      2.7.3 (R)Dと(D)Rの同型性

    2.8 “閉じた”拡張
      2.8.1 ((R)RとRの同型性
      2.8.2 (D)DとDの同型性
      2.8.3 (((R)D)RとRDの同型性
      2.8.4 ((D)R)DとRDの同型性

3 量に随伴する数 1
    3.1 数の契機としての量
    3.2 “量”の概念の領分
    3.3 “量”の一般的形式
    3.4 “量”に対する三つの二分法
    3.5 内算法+が定義されている場合
      3.5.1 (Q,≦,+)の条件
      3.5.2 “数の系”としての(Q,≦,+)
      3.5.3 “数の系”の構成としての(Q,≦,+)の構成
      3.5.4 離散量からの稠密量の構成と,稠密量からの離散量の導出
      3.5.5 “比”の系
      3.5.6 系((Q,≦,+),(N,≦,+,×),×
      3.5.7 “差”の系
      3.5.8 系((Q,≦),((D,≦,+),(N,≦,+,×),×),

    3.6 内算法+が定義されていない場合
      3.6.1 (Q,≦)の条件
      3.6.2 “差”の系
        3.6.2.1 (Q,≦)が離散の場合
        3.6.2.2 (Q,≦)が稠密の場合
        3.6.3 系((Q,≦),((D,≦,+),(DR,≦,+,×),×),

    3.7 量の一般形((Q,≦),((D,≦,+),(DR,≦,+,×),×),




 構成 条件規定
自己完結  
量に随伴  














′=


n =  fのn回の合成 (n>0)
恒等関数    (n=0)

{φ},{φ,{φ}},{φ,{φ},{φ,{φ}}},・・・・


h(1) = 1
つぎの図式は可換:


h(fn(1)) = fn(1)