3.3 情報処理システムの問題解決


     問題解決に対する“問題空間の上の探索”の解釈の元には,問題解決主体に対する“情報処理システム”の解釈がある。

     人間知能に対する情報処理システムの解釈はコンピュータの作成を導いたが,つぎには,この解釈がコンピュータ・アナロジーの形で強化されることになる。

     コンピュータ・アナロジーからさらに,“コンピュータ・シミュレーション”の発想が出てくる。即ち,“モデルをコンピュータ・プログラムに書き直し,このプログラムでコンピュータが所期の動作をするかどうかを見る。所期の動作をすれば,モデルは妥当と見なされる。

     コンピュータ・シミュレーションにおいてコンピュータは“尺度”として機能させられていることになる。(これは“シミュレーション”の意味にしたがう。)このように,コンピュータ・アナロジーからコンピュータ・シミュレーションへの移行の意味は,“主客の転倒”である。