Up <時間─距離><時間─速さ>の相互導出を問題化 作成: 2010-10-25
更新: 2010-10-26


    ここに,移動する物体ががある。
    この移動の記述として,つぎの2つを考える:
    1. 経過時間に対するこれまでの移動距離を記録していく
    2. 経過時間に対するそのときの速度を記録していく
    ここで問題:この二つの記述はどんな関係にあるだろうか?

    どうしてこの問題が出てくるかというと,一方が決まれば他方も決まるように思えるからである。
    実際,経過時間に対する移動距離に違いの現れる箇所でてきたら,それは速さが違う箇所ということになる。 また,経過時間に対する速さに違いの現れる箇所がでてきたら,それは移動距離が違う箇所ということになる。
    そして,一方が決まれば他方も決まるということは,一方から他方を導く方法があるということではないか?

    実際,この予想は正しい:
    • <時間─距離>から<時間─速さ>を導くことができる
    • <時間─速さ>から<時間─距離>を導くことができる
    このことを,ここでつぎのように表現する:
    • <時間─距離>のグラフから<時間─速さ>のグラフを導くことができる
    • <時間─速さ>のグラフから<時間─距離>のグラフを導くことができる



    さて,<時間─距離>と<時間─速さ>の一方から他方を導く方法とは?




    註:<時間─距離>, <時間─速さ>のグラフを描く手順

    1. 時間,距離の単位を定める──それぞれ●,▲とする。
      速さの単位を,▲/● に定める。

    2. グラフの枠となる時間,距離,速さの軸を描く。


    3. 「枠のスケールを定める」こととして,時間,距離,速さの各軸に適当な数値をおく──それぞれ○,△,□とする。


    4. この枠にしたがって,<時間─距離>,<時間─速さ>のデータをプロットする。



    「時間,距離,速さの軸を描きこれのスケールを定める」でやっていることは,<量>としての時間,距離,速さのそれぞれで,<量>としての長さと「同型 (isomorphism)」を立てるということである。