Up 「導入」が行われない現状 作成: 2013-07-30
更新: 2013-07-30


    単元の開始は,「導入」の授業である。
    授業の開始は,「導入」である。

    「導入」は,生徒を新しい主題と経験に導くステージである。
    ここでは,つぎのことを行う:
    1. 新しい主題がどんなものかを,つかませる
    2. 自分がこれから行っていくことを,つかませる

    《これから知ることになるものを予め知る》の実現が,行うことである。
    これが矛盾でないのは,二つの「知る」の内容が違っているわけである。
    このステージの設計は,難しい。
    単元・授業の設計で,いちばん頭を使うことになるところである。

    特に,主題の理解ができていないと,「導入」の授業はできない。
    翻って,授業者の主題理解がどの程度のものかは,「導入」においてはっきり現れてくる。

    今日,単元や授業から「導入」を抜いてしまう教員が,ほとんどである。
    これは,主題を理解できていないで授業をしている教員がほとんどだということである。

      教員は,「導入」をしない。
      しないのは,できないからである。
      できないのは,「導入」の意味・理由をわかっていないからである。
      わかっていないのは,「導入」の意味・理由を考えたことがないからである。
      考えたことがないのは,《「導入」の意味・理由を考える》という概念をもっていないからである。
      概念をもっていないのは,この概念があることに気づかされる経験をもてないまま,いまに至っているからである。
      経験をもてなかったのは,教員養成課程でも学校現場でも「導入」がテーマにならないからである。
      テーマにならないのは,そもそも授業の形(かた) がテーマにならないからである。