Up 免疫記憶・2次免疫応答 作成: 2021-06-09
更新: 2021-06-11


  • 「免疫記憶」を担う成分
    • 抗体
    • メモリーT細胞
    • メモリーB細胞

  • メモリーB細胞
    • 何十年も生きる


  • メモリーT細胞
      (Wikipedia「メモリーT細胞」より)
    • クローンとして,何十年も持続する
    • 出生時および幼児期には、末梢血中のT細胞は主にナイーブT細胞である。
      抗原に頻繁に暴露されることにより、メモリーT細胞の集団が蓄積されてゆく。
      これは、生まれてから20〜25歳頃まで続くメモリー生成期であり、私たち免疫系が最も多くの新しい抗原に遭遇する時期である。
      次に来るメモリー恒常性維持期では、メモリーT細胞の数は横ばい状態になり、恒常性維持によって安定化する。
      この段階では、新しい抗原にほとんど遭遇しないため、免疫応答は恒常性維持にシフトする。
      この段階では、腫瘍の監視も重要になる。
      人生の後期になると、65〜70歳頃に免疫老化段階が到来し、免疫調節不全、T細胞機能の低下、および病原体に対する感受性の増加が見られる。


      黒崎チーム (2013) より
    私たちの体は、1度出会った細菌やウイルスなどの抗原に再び出会うと、1度目よりも大量の抗体<を迅速に作り出して速やかにその抗原を除去し生体を防御します。
    これは、抗原に初めて出会うIgM型B細胞抗原受容体(BCR)を持つB細胞(IgM型ナイーブB細胞)よりも1度目の免疫反応で抗原を記憶したIgG型BCRを持つB細胞(IgG型メモリーB細胞)が素早く反応するためです。

    IgM型ナイーブB細胞は抗原に出会うと胚中心B細胞へ分化し、一部が抗体産生細胞に分化する。
    一方、IgG型メモリーB細胞は、抗体産生細胞へ迅速に大量に分化する。



    IgM型ナイーブB細胞は細菌やウイルスといった抗原に出会うと活性化し、胚中心B細胞と呼ばれる<活発に増殖し細胞の数を増やし、質の良いBCRを作り出す状態>へと変化する。
    その後その一部は、メモリーB細胞となる。
    この過程で、BCRの型がIgM型からIgG型へと変化する。


    もし、IgG型メモリーB細胞が抗体産生細胞に分化できなくなると、感染防御に対する能力が低下したり、逆に過剰に活性化すると、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こしたりしてしまいます。