Up 「改革」のイデオロギーを確認 作成: 2010-02-27
更新: 2010-02-27


    カリキュラムの「改革」が課題として示されるとき,それはたいてい,上から降りてきたものであり,そして方向が既に決められている。 すなわち,「<上>が決めた枠の中で,<下>が実働する」を求めるふうになっている。
    そしてこの場合は,検討・議論の余地はない。

    トップダウンには,つぎの二つの場合がある:
      A. これが行われないと,トップが立場上困る。
      B. <中央指導>のイデオロギーが支配している。
    そして,ふつう,この二つが合わさったものになっている。

    国立大学の「法人化」体制は,「学長の強力なリーダシップ」の体制であり,「中期計画・中期目標」に表されるところの「計画経済」体制である。 国立大学は意外とスムーズにこの体制に入っていくことができたが,このことは,<中央指導・計画経済>のイデオロギーをもともと体質に持っていたことを示している。

    しかし,大学執行部にとって,「中期計画・中期目標」はさらに上の方から自分に課せられているものである。 自分は,この中に書き込む項目をつくらねばならない。 そして,これをつくることは,<これが行われないと,自分が立場上困るもの>をつくることである。
    「改革」のトップダウンに際しては,「法人化」執行部のこのディレンマを見てやらねばならない。