Up おわりに 作成: 2014-12-24
更新: 2014-12-25

    「世の中に 蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶといひて 夜もねられず」

    ひとは，このように思うものである。
    しかし，表だって言えない。

    よって，「倫理・人権」の授業において，「倫理はウザイ」をレポートに書いた学生は，評価したい。
    評価したいと思ったので，これに応え，「倫理はウザイ」をきちんと主題にしたいと思った。
    実際，「倫理・人権」の授業では，「倫理はウザイ」は潰されるのが定めである。 ──これは，よくない。

    近頃は，蚊がますますうるさい。
    そしてこの蚊は，ただうるさいばかりでない。
    「マニュアル症候群」という感染症を媒介する。

    「マニュアル症候群」は，「外延的思考症候群」である。
    これは，「智恵」「生成的思考」を駆逐する。
    即ち，「裁量」「推論」を駆逐する。

    このことも，「倫理はウザイ」の射程の中にある。
    よって，「倫理はウザイ」をきちんと主題に立てることは，いよいよ重要である。

    こうして，本テクストの作成となった。
    ただし，本テクストは，「倫理はウザイ」の入門テクストといったところである。
    「倫理・人権」科目の体質の話になるわけなので，具体的に深く内容に入っていくのは，現職上やはりいろいろまずいところがある。
    ということで，いわば「一般力学」の趣きにテクストをつくることになった。
    スタンスは，あくまでも「力学研究者」「科学」である。