Up 「第三者評価機関」の意味 作成: 2007-06-29
更新: 2007-06-29


    施策で評価主義を唱える者は,きまって「第三者評価機関」を持ち出す。
    なぜ,「第三者」か?


    施策で評価主義を唱える者は,つぎのような考え方をする者である:

      自分は,道を示す者である。
      この道を進むように命じれば,人はこれを行う。
      自分が「国立大学法人評価」を決め,これを行うことを命じれば,人はこれを行う。

    「命じれば,人はこれを行う」と漠然と思う。
    「これを行う人」についてのイメージも漠然。 「だれかできるやつがいるだろう」で,思考停止する。

      自分を含め身の周りの人間を具体的に思い浮かべれば,「それはできることか?」の考えに赴く。 しかし,「評価を実施する」から出発しているので,「それはできることか?」の考えに自分が進まないよう,無意識にブレーキをかける。これが「思考停止」。

    そして,この漠然と思われている「だれかできるやつがいるだろう」が,「第三者評価機関」になる。


    「第三者」(「有識者」もこの類) のことばが行政から出てくるときは,きまって/概して,つぎの事実認識に向かうべき思考の<停止>が起こっている:

    1. 命じて人に行わせることができるものは,「実際に行えるもの」である。
    2. この施策は,「実際に行えるもの」ではない。