Up 官僚主義の心理構造 作成: 2007-08-02
更新: 2007-08-02


    官僚主義とは,組織運営に関して
      とことん定型でなければ,安心できない
      上からの指示にそっくり,さらに過剰に対応しなければ,安心できない
    体質を指すことばである。

    業務の体制・形態により,事務は官僚主義に陥りやすい。
    例えば,文書の実際機能に関してはどうでもよい一字訂正のために,文書作成・印刷・コピーのプロセスをやり直させる。これは組織にとって不経済だが,この種の不経済に対して不感症になるのが官僚主義である。
    また,事務職員・教員の別関係なく,事なかれ体質の強い者が組織運営に関わると官僚主義になる。


    官僚主義は,組織にとってよくない。
    なぜか?
    画一主義,些末主義,事なかれ主義,本末転倒,没主体といった形にそれは現れて,組織に不経済と不活性をもたらし,そして組織の命である<生き甲斐>を殺すからだ。

    しかし,官僚主義は,簡単に組織を蹂躙する。すなわち,蹂躙を簡単に許される。
    なぜか?
    官僚主義の
      とことん定型でなければ,安心できない
      上からの指示にそっくり,さらに過剰に対応しなければ,安心できない
    は,人間の性(さが) でもあるからだ。


    人は,弱くて,「個の多様性・無頼」を生きられない。
    実際,「個の多様性・無頼」を生きるとは,つぎの立場をとれること:

      上位の者や多数派が示す「正しい」は,彼等の「正しい」に過ぎない。 ──「正しい」にとって,「上位」とか「多数」は関係ない。

    しかしこの立場をとれるためには,自分の「正しい」で争えるという自信が要る。 自信は,修行のたまもの。 しかし,ひとはみな修行半ばだ。 よって,横並びに向かう。

    そして,個々の「横並び」が,全体の動きをつくる。
    それは,「正しい」が不在の動きである。

      さんまの群れは,塊をつくり,せわしなく動く。個々の「横並び」が塊の動きをつくる。