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宮原 (2014), pp.107,108
[生物の成長痕跡を使う方法は] 数百年以上昔にさかのぼると、連続的なデータを取得するのが次第に難しくなってきます。
より長い期間の連続的なデータを得たい場合には、湖などの底に堆積している地層や鍾乳洞の石筍、南極の氷などが用いられます。
湖の堆積物では、年縞と呼ばれる1年ごとの縞が存在している場合があり、そのときは正確な年代でより古い時代まで気候を復元することができます。
花粉の分析によって周辺の植生がわかり気候の変化を知る手がかりが得られますし、葉などの植物片のほか、有機物の含有量などから環境の変化を探ることも可能です。
年単位の分析は難しくなりますが、海底の地層も使うことができます。
その場合には、固い殻をつくる。プランクトンなどの徴生物の化石などが含まれていますので、そのプランクトンが生息していたであろう水深の温度などの情報が得られます。
種類の変化、数の変化、あるいは殻の同位体比の分析から水温を復元する例もあります。
海の上のほうに生息するプランクトンもいれば、底のほうに生息する種類もいるので、三次元の情報が得られます。
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コアリング
引用文献
宮原ひろ子 (2014) :
『地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか』, 化学同人 (DOJIN選書), 2014.
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