Up | 気象学は「大気大循環」を妄想する (Hadley モデル) | 作成: 2023-01-07 更新: 2024-05-15 |
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ひとは (そして気象学者も) この絵に騙される。 なぜなら,この絵は騙し絵だからである。 赤道から極までは,1万km。 よって,各 "cell" は,南北の幅が 1/3 万km。 一方,対流圏の厚さは,緯度や時季によってずいぶん違ってくるが,約11km。 各 "cell" は,厚さが南北幅の 1/303。 非常に薄い層である。 ── 標準コピー紙 (厚さが 0.1 mm) に喩えると,30.3 cm 幅の紙! こんな薄い層の対流は,上の絵のような対流にはならない。 どんな対流になるかというと,つぎのような対流 (「ベナール対流」) になる:
つぎは,高緯度圏の鉛直対流の実際である。 上昇渦流と下降渦流の束になっていることが一目瞭然である。 2022-09-15, 21:00 Wyoming Weather Web から引用の天気図を編集: 「大気循環」論 (Hadley モデル) は,18, 19世紀の産物である。 衛星画像があり,気象観測の世界ネットワークがある今日では,起こりえない論である。 しかし現実は,「大気循環」論を気象学が信奉している。 「まったくどうなっているんだ」であるが,学者も人のうち,こういうものなのである。 ひとは,単純な論を求める。 そして,単純な論を現実のことにする。 よくよく吟味すべし。 科学の時代も,ひとのアタマは宗教である。 |