Up 気圧と風の関係 作成: 2023-01-09
更新: 2023-05-03


    現前の気象学は,「風は気圧の高いところから低いところに流れる」と教える。
    これは間違いである。
    風は,等圧線に沿う格好で流れる:
等圧線と風の関係
(高層 500hPa 面天気図──Windy.com から引用)
元画像はカラーだが,等高線が見えやすいようにグレーに変換
風の流れを示す矢線がこの図ではよく見えない (画像をクリックして拡大表示へ)


    気象学が「風は気圧の高いところから低いところに流れる」と教えるのは,気象学のアタマが「風は気圧が元」──風は結果で気圧が原因──だからである。
    しかしこの教えに順えば,風は等圧線と直交するように流れることになる。
    実際はそうではないので,気象学は「コリオリ力」「地衡風」といった珍妙な理屈を捻り出す。
    しかもたちの悪いことに,その謂うところの「コリオリ力」は,「コリオリ力」の別物化なのである。

      気圧と風の関係を理論的に考察したいとき,参考にすべきは,流体力学の「乱流」の章である。
      気象学は「コリオリ力」教の(てい)であり,参考に堪えない。


    「気圧」は,「空気粒子の密度」である。
    よって,風は密度を運んでいることになる。
    風の流線が,そのまま等圧線になる。

    「気圧」はまた,空気の押し合いへし合いの圧である。
    したがって,風と気圧は分けられない。
    そして「風の流線が,そのまま等圧線になる」のだから,因果を強いて言えばつぎのようになる:
        《風が気圧を現す》


    ただし,これは大局観である。
    風の中では,密度 (気圧) が絶えず変化している。

    例えば,風の幅が狭められるところは,密度が大きくなる──そして風速が大きくなる。
      「単位時間に体積V {距離単位3]」の流れでは,流れの断面積S [距離単位2] と流速v [距離単位/時間単位] が S × v = V の関係になる。
    また,風が曲がるとき,密度の傾きが生じる──曲がりの外側で密度が高く,内側で低い。


    ちなみに等圧線は,等温線がこれとほぼ対応することになる。
    空気の流れは,その空気の温度の流れだからである:
高層 500hPa 面天気図
earth.nullschool.net から引用 :
風と風速

風と気温