Up 原子炉格納容器の貫通部 作成: 2024-08-16
更新: 2024-08-21


    福島第一原発の廃炉は,燃料デブリの取り出しを以て成る。
    福島第一原発の「廃炉」は,燃料デブリの取り出しができればの話である。

    燃料デブリは,原子炉格納容器の中にある。
    メルトダウンは,格納容器の底を貫通するまでには至らなかったとされている。
TEPCO「燃料デブリ取り出しの状況」から引用:
1号機



    これまで,格納容器の内部の調査が行われてきた。
    格納容器には配管等を通す貫通孔 (penetration) がいくつかあって,「X-○」の名がついている。
    調査は,その貫通孔を通して探査装置を格納容器の中に投入する,という方法で行っている。

    また,貫通部には,機械搬入用ハッチがある。

    以上の貫通部は,格納容器の横についている。
    そしてこれらは,燃料デブリ取り出しとなったときの取り出し口にはならない。
    作業の形がつくれないからである。


    残る貫通部は,格納容器の上蓋とその下の圧力容器の上蓋である。
    これは,燃料の取り替えのときに外す。
    天井のクレーンで釣り上げて,外すのである。

    燃料デブリ取り出しとなったときの取り出し口は,これになる。
    それしかないからである。
    取り出し作業は,成るとすれば,石棺天井のクレーンで作業機械を下ろし,そしてクレーンで格納容器内の作業干渉物・燃料デブリ堆積物を釣り上げる,という作業になる。

JAEA : 原子力百科事典 ATOMICA「02--03-04-02 BWRの原子炉格納容器」から引用: