Up 山人伝説──『遠野物語』から 作成: 2025-01-12
更新: 2025-01-12



    柳田国男『遠野物語』(1910) から,山人伝説に相当する部分を引く。
    分量が多くなるが,中身は他愛の無い話なので,引用の多さに対する抵抗感は無かろう。

    遠野は岩手県にあり,蝦夷(えみし)・東北アイヌの痕跡が地名等に残るところである。
    そして,『遠野物語』の山人伝説には,蝦夷・東北アイヌの系統の山人と見られるものが登場する。

    東北アイヌは蝦夷の系統ということになる。
    よって蝦夷は,アイヌ語族として,日本語族から区別される。
    特に,「アイヌ語族である山人 (狩猟採集民) が日本語族である平地人 (農耕民) に追いやられる」という日本史の図式が立つ。

    「山人」にはまた,特殊技能で生業う漂泊者の類 (「サンカ」) もある。
    『遠野物語』にも,これとおぼしきものが登場する。


    というわけで,引用をつぎの3つに分ける:


    なお,山人伝説には,神隠し (人さらい) の話が出てくる。
    平地人が山人にさらわれる話である。
    この人さらいの理由として考えられるのは::
    • 外部者との混血によって,集団内の<血が濃くなる>を防ぐ
    • 員を補充する
    • 人買いに売る


  • 引用文献